材料プロセス工学グループ

材料プロセス工学とは、金属、半導体、セラミックスなど、いろいろな役に立つ機能性材料の製法を研究する分野です。"材料"と言っても、"ピン"とこないかもしれませんが、身の周りにある様々な家庭製品、家電、電子機器だけでなく、自動車、電車、航空機などを鑑みると、新しい材料の誕生によって暮らしが快適・便利になっただけでなく、省エネルギーにも貢献してきた歴史があります。

このような材料を実際の製品の中で用いるには、電気抵抗、光透過性など使用する目的に適した機能と、構造・結晶性に最適な製造方法(温度・濃度などの製造条件)を十分に考えなければなりません。また、何故?どうして?といった本質的理解を深めていく事によって、最適な材料設計、プロセス設計にたどり着けるような工学的体系化を行う必要があります。その体系化に至る学問体系を構築するのが材料プロセス工学です。

機能性材料には、メモリーやマイクロプロセッサーに代表されるシリコン半導体や電子機器の研究から生まれたものが数多くあります。さらに、トランジスタの大きさが髪の毛の太さの1000分の1程度と極めて小さくなり、過去には考えられなかった新しい材料やプロセス、革新的な実装技術の重要性が、近年、より一層増しています。このように、要求される性能を極めて微細かつ複雑な形状で実現するには、科学的、工学的な知識に基づく材料製造プロセスの研究が欠かせません。

本研究グループでは、世の中に役立つ機能性材料を安価・高効率・高速・低環境負荷に作製するプロセスの研究を行っています。研究対象の中心は数十ナノメートルから数十マイクロメートルほどの"薄膜"です。薄膜の機能を十分に発揮させるための製造プロセス、機能の発現に必要な構造との関係を十分に体系化するための化学工学的方法論を考えています。具体的には、二次電池、太陽電池を高性能化する新規材料、エネルギー貯蔵用材料、ハードコーティング材料、高温でも動作する半導体材料や電源を切っても情報が消えないメモリー材料などをプロセス的、材料的観点で研究するだけでなく、モニター方法、評価方法、反応操作などを研究項目として取り扱っています。

ダイヤモンドトランジスタ上のゲート絶縁膜

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